緑内障

緑内障(りょくないしょう)とは一体どんな病気?
視神経(見たものを脳へ送る目の神経)が障害され、視野が狭くなる病気です。一度失われた視神経をもとに取り戻す方法はないため、早期発見、早期治療が大切です。
緑内障はなぜ起きるの?
原因ははっきりしていませんが、眼圧(がんあつ)の上昇が主な原因といわれています。眼球内は一定の圧で保たれていますが、水晶体の前部に流れる房水の流れが悪くなったり排出されにくくなると、房水が眼球内にたまって眼圧が高くなります。眼圧が高くなると硝子体や網膜が圧迫され、これにより視野障害が起こります。
緑内障になるとどんな症状が起きるの?
初期の段階では目の中心をやや外れたところに見えない部分ができます。中期になると見えない部分が広がり始めます。末期の段階では見える範囲はさらに狭くなり、視力も低下し、日常生活に支障をきたすようになります。さらに放置すると失明に至ります。しかし実際には両目でカバーしたり目を動かしたりするため、自分自身では気づきにくく、中期の段階になっても自覚症状を伴わないケースがほとんどです。特に目に不自由を感じていない方も、一度目の健康診断を受けることをお勧めします。
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イラスト協力:参天製薬
緑内障の診断方法は?
緑内障は、眼底検査、眼圧検査、視野検査、OCT(光干渉断層計)検査等で診断されます。眼底検査とは、視神経の状態をみるために 視神経乳頭部を観察します。視神経が障害されている場合、陥凹の形が変形し大きくなります。この検査は緑内障を診断する上で最も重要な検査です。眼圧検査には、目の表面に測定器具をあてて測定する方法と目の表面に空気をあてて測定する方法があります。眼圧の正常値は10~20mmHg未満、異常値は20mmHg以上といわれています。ただし、正常値にも関わらず緑内障になる場合もあり、これを正常眼圧緑内障といいます。このケースは日本人に多くみられ、緑内障の約6割が正常眼圧緑内障といわれています。視野検査では、視野計によりどの程度見えない範囲があるかを調べ、緑内障の進行具合を判定するのに有効な検査です。また、OCT(光干渉断層計)検査により眼の奥の視神経線維層の厚みや視神経乳頭の陥凹の程度の測定をし、正常の人と比較した解析ができるため、緑内障の早期発見も可能となります。進行具合の判定・経過観察にも有効です。視野検査と同様に定期的に実施することで緑内障の進行を詳しく知ることができます。
緑内障はどうやって治療するの?
残念ながら一度失われた視神経をもとに戻す方法はなく、病気の進行をくい止めることが目標になります。緑内障の進行をくい止めるための治療には、薬物療法、レーザー治療、手術があります。薬物療法は、眼圧を下げる目的で使われます。まず点眼薬からはじめ、状況に応じて薬を変更したり種類を増やしたりします。点眼薬だけでは不十分な場合、内服薬を併用することもあります。点眼薬は1回1滴入れば十分であり、回数を増やせば効果があがるというわけではないので、医師の指示に従って正しく使うことが重要です。また、副作用が現れる事があるので、目に異常を感じたり、全身に変わった症状が出たときには、すぐに医師に相談してください。レーザー治療は、虹彩にレーザーを照射して小さな穴を開け房水が通じるようにする処置です。緑内障の中でも浅前房で急性緑内障発作を起こすタイプの患者さんに行われます。短時間で簡単に処置できるため入院する必要はありません。手術は隅角(ぐうかく)に房水の新しい排出口をつくって眼圧を下げるというものです。薬物治療に比べて眼圧を下げる効果が大きいという利点を持っています。しかしその一方で合併症の危険もあり、数年後には効果も薄れていくため、再手術が必要となる場合もあります。
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院長よりひとこと

高橋眼科クリニックには、タイプの異なる3つの視野計があります。患者様の状態に応じて、それぞれの視野計を使い分け、よりきめ細やかな、そして最善の治療を心がけています。